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WordPressのサンプルページ(ピニャコラーダ・通り雨・XYZ小道具株式会社のやつ)の英語版

WordPressをサーバーにインストールすると、自動的に「サンプルページ」というページが生成されます。
内容は以下の通り。

これはサンプルページです。同じ位置に固定され、(多くのテーマでは) サイトナビゲーションメニューに含まれる点がブログ投稿とは異なります。まずは、サイト訪問者に対して自分のことを説明する自己紹介ページを作成するのが一般的です。たとえば以下のようなものです。

    はじめまして。昼間はバイク便のメッセンジャーとして働いていますが、俳優志望でもあります。これは僕のサイトです。ロサンゼルスに住み、ジャックという名前のかわいい犬を飼っています。好きなものはピニャコラーダ、そして通り雨に濡れること。

または、このようなものです。

    XYZ 小道具株式会社は1971年の創立以来、高品質の小道具を皆様にご提供させていただいています。ゴッサム・シティに所在する当社では2,000名以上の社員が働いており、様々な形で地域のコミュニティへ貢献しています。

新しく WordPress ユーザーになった方は、ダッシュボードへ行ってこのページを削除し、独自のコンテンツを含む新しいページを作成してください。それでは、お楽しみください !

要するに、はてなブログでいうaboutページみたいなものです。
WordPressではこういう「ブログ記事ではないページ」をいくらでも作れますが、それのユーザー向けサンプルとして、この「サンプルページ」が自動で作成されます。

で、最後には「このページを削除し、新しいページを作成してください」と書いてあるので、ユーザーはその説明の通り、まずサンプルページを削除することになります。

しかし現実はそうではありません。
何がそうではないのかというと、このサンプルページの一部でGoogle検索すると、

"XYZ 小道具株式会社は1971年の創立以来、高品質の小道具を皆様にご提供させていただいています。" - Google 検索

「"XYZ 小道具株式会社は1971年の創立以来、高品質の小道具を皆様にご提供させていただいています。"」のGoogle検索結果
なだ万って聞いたことある!

2022年5月現在、約126,000件もヒットします。

サンプルページは1つのWordPressにつき1ページしか存在しないので、単純に考えて126,000件のサイトが、このサンプルページを削除し忘れて放置しているということになります。

大企業でも意外と残しているサイトがある

あまり個別の例を出すのはアレですが、実感してもらうために個別の例を出します。
たとえば上記の検索でヒットする企業、つまりサンプルページを全世界に公開している一番のビッグネームは、牛丼チェーン店の最大手「吉野家」さんです。

www.yoshinoya.com

なだ万さんも十分ビッグネームですが、私はなだ万さんには行ったことがなく、吉野家さんには一回だけ行ったことがあります。
なので個人的には吉野家さんを「サンプルページ持ちWordPressサイトのナンバーワン」に推薦したいと思います。

まあ言いたいことは「うっかりさんだなあ」という点に尽きるのですが、とはいえ誤解しないでほしいのは、私はなだ万さんや吉野家さんを笑いものにしたい、というわけではないということです。
2000年くらい前だと思いますが、イエスも言いました。〝罪のないものだけが石を投げなさい〟――と。

朝早くまた宮にはいられると、人々が皆みもとに集まってきたので、イエスはすわって彼らを教えておられた。

すると、律法学者たちやパリサイ人たちが、姦淫をしている時につかまえられた女をひっぱってきて、中に立たせた上、イエスに言った、

「先生、この女は姦淫の場でつかまえられました。

モーセは律法の中で、こういう女を石で打ち殺せと命じましたが、あなたはどう思いますか」。

彼らがそう言ったのは、イエスをためして、訴える口実を得るためであった。しかし、イエスは身をかがめて、指で地面に何か書いておられた。

彼らが問い続けるので、イエスは身を起して彼らに言われた、「あなたがたの中で罪のない者が、まずこの女に石を投げつけるがよい」。

そしてまた身をかがめて、地面に物を書きつづけられた。

これを聞くと、彼らは年寄から始めて、ひとりびとり出て行き、ついに、イエスだけになり、女は中にいたまま残された。

そこでイエスは身を起して女に言われた、「女よ、みんなはどこにいるか。あなたを罰する者はなかったのか」。

女は言った、「主よ、だれもございません」。イエスは言われた、「わたしもあなたを罰しない。お帰りなさい。今後はもう罪を犯さないように」。〕

— ヨハネによる福音書、(口語訳)8:2-11

エスもたまにはいいこと言うじゃん。*1

余談

99%は「削除のし忘れに気づいていない」というだけだと思いますが、もしかしたら「気づいているけど削除したくてもできない」というケースもあるのかもしれません。

たとえば社内でやっている場合で部下が

  1. サンプルページの存在は認識している
  2. ページの改変には上司の承認が必要
  3. でも言ったらサンプルページを残していたのがバレてしまう
  4. うん、だまっとこ

と割り切って日々の仕事に励む一方で、上司は

  1. サンプルページの存在は認識している
  2. 必要ないとは思うけど部下は何も言ってこない
  3. でも消せと言ったらいじめてると思われそう
  4. 言うに言えない

と思い悩むとか。

もしあなたが上司なら、実はサンプルページにはログインページへのリンクが張ってある(「ダッシュボード」という部分がリンクになっている)ので、一刻も早く消すか、せめて下書き状態にしてあげてください。

重要なことなのでもう一度言いますね。
サンプルページには、ログインページへのリンクが張ってあります。

サンプルページ英語版

最後になりましたが、本題です。
WordPressはもともと英語圏アメリカ)で作られているため、サンプルページも本来は英語です。
日本語版WordPressを使っているとほぼ見ないので、以下にメモしておきます。

This is an example page. It's different from a blog post because it will stay in one place and will show up in your site navigation (in most themes). Most people start with an About page that introduces them to potential site visitors. It might say something like this:

    Hi there! I'm a bike messenger by day, aspiring actor by night, and this is my website. I live in Los Angeles, have a great dog named Jack, and I like piña coladas. (And gettin' caught in the rain.)

...or something like this:

    The XYZ Doohickey Company was founded in 1971, and has been providing quality doohickeys to the public ever since. Located in Gotham City, XYZ employs over 2,000 people and does all kinds of awesome things for the Gotham community.

As a new WordPress user, you should go to your dashboard to delete this page and create new pages for your content. Have fun!

日本語版はこれをほぼ直訳した感じということになりそうです。
ただ "getting caught in the rain" は「雨に濡れる(雨に降られる)」という意味までのはずで、通り雨というのは意訳に近い気がします。たまたま日本語訳した人が情緒を大切にする人だったのかもしれない。*2

*1:法治国家における刑罰のありようの話ではなく、個々人の心の持ちようがそうあるべきよ、という話かと思います

*2:あえて言えばshowerとかsquallとかになるらしいですが、日本人にとってはシャワーはシャワーだし、スコールはスコールだし