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ココナッツから逃げるのは意外と難しいのかもしれない

ココヤ死 ja.wikipedia.org

ハワイのホノルルにある注意看板がこちら。

ハワイのホノルルにある注意看板

  • どう見ても斜めに落下しておりニュートン力学に喧嘩を売っている
  • どう見ても落下というより追撃されている
  • ペロキャン

なぜヒトはココナッツを避けられないのか

ココヤシからココナッツが落ちてきて死ぬ、というのは相当運動神経が悪くかつ運も悪い、そういう人だけではないだろうか……と思っていたところ、デイリーポータルZの記事の現地の人の話によると、落ちてきたココナッツに当たって怪我をしたという話は毎月のように聞く、とのことです。

dailyportalz.jp

ただ、この記事では現地の人の作業時あるある、という話がメインで、この注意看板のメインターゲットであろう観光客がココナッツに当たって死ぬことはあるのか、という点までは語られていません。

ココナッツ落下に慣れた現地の人ですら毎月当たる、それなら慣れない観光客は3日に1回くらいはココヤ死ココナッツによる死を遂げているのではと不安になりますが、むしろ南国の人はのんびりとしておおらかな人、自然と共に生き自然と共に死ぬ、そんなネイチャーな価値観の人が多そうなので、そもそもココナッツが落ちてきても避けようという発想がないのでは、という気もします。

そもそもココナッツというのは、本当に避けにくいものなのでしょうか?

音もなく、かなり高い場所から落ちてくる

そもそもどれぐらいの高さから、どれくらいの大きさのものが落ちてくるのでしょうか。
Wikipediaによると、ココヤシは最大で30mくらい、ココナッツは直径30cmくらいにもなるそうです。

ja.wikipedia.org

もはや兵器じゃんと思うわけですが、これはあくまで「最大限に育てば」という話で、さらに調べてみたところ、どうやらココヤシは10mくらい、ココナッツは15cm~20cm、重さは2kg~4kgくらいが相場だとのこと。

「10mの高さから20cm・2kg程度の硬い球が落ちてくる」
を普段よく見るもので表現すると、
「電柱*1から子供用のボウリングの球*2が落ちてくる」
のとだいたい同じです。

逆に考えれば、これで誰かを仕留めようと考えると子供用ではちょっと足りない、という気分にもなりますが、そうはいっても10mからやればさすがに気を失う程度の衝撃にはなるでしょうし、きちんと頂点に当てればきちんと死にそうな気がします。

場合によっては本当に斜めに落ちてくる

現地に行ったことがないので想像の域を出ませんが、注意看板の「ココナッツが斜めに落ちている」という点については、例えば木が強風にあおられることで上部が大きく揺れ、その勢いで実が斜めに、かつ相当な勢いで落下してくるというケースがあるのかもしれません。

前述のココヤシのWikipediaによると「観光地では熟した実が落下しないようあらかじめ落としておく」といった対策をとっているそうなので、むしろ危険なのはココヤシというより、まさか落ちると思っていなかった実が落ちてしまうような悪天候と、そんな中でもせっかくだからと出歩いてしまう観光客なのかもしれません。

もしかしたらこの注意看板のイラスト、かつて起こった悲劇をかなり忠実に*3再現して描かれているのでは。

足下が悪くて転んだところに落ちてくる

ココヤシというのは自然の中に育っているわけで、いざココナッツが落ちてきて逃げようという場合に、足下が悪くて転んでしまい、そこにココナッツがメテオストライクしてくるというケースもあるかもしれません。

人間の死に方というのはいろいろあり、トロピカルな死に方というのもいろいろ想像できます。毒のある爬虫類に派手に噛まれたとか、ダイビングで不慮の事故が起こってしまったとか。遺族が「故人はトロピカルが好きだったので本望だと思います」と言って涙をこらえ、あえて選ばれたアロハシャツの明るい表情の遺影が参列者の涙を誘うやつですね。

でも「落ちてきたココナッツを避け損なって死んだ」というのは「トロピカルはトロピカルだけど……」という微妙なベクトルの惨事であり、二等親くらいまでは神妙な面持ちで扱ってくれそうですが、三親等くらい離れた瞬間に「うちのおじさんココナッツで死んだ」とか積極的にネタにされそうです。これは避けたい。

森とかでなく街中でも普通に落ちてくる

ただ、くだんの看板についてはそういうことではないようで、周囲の風景込みで撮っておられる方がいらっしゃいましたのでリンクさせていただきます。*4

studio-makana.com

ペロキャンどこいったなんとなく「ココヤシの森の入り口」とか「特別に自然が深い街の中」にあるのかと思っていたのですが、普通の街中にある看板なのですね。
でも街中にこの看板があるということは人間にはもちろん建物や自家用車にも容赦なく落ちますよと言っているようなものであって、そういうのはホノルルでは日常茶飯事なんだろうか。

安全策まとめ

常識的な落ち方をするなら常識的に用心できるわけで、そうではないからこそ死者が時々出る、というのが実際のところかもしれず、やはり看板に描かれている通りココヤシは追撃してくるという意識で立ち向かっていった方がいいのかもしれません。

人生あと40年、その中で私がハワイのホノルルに行く可能性がどれだけあるかは不明です。しかし近年は温暖化で鹿児島・奄美群島のココヤシにもココナッツができているとかいう話もあるようで、そのうちココヤ死ココナッツによる死者が出始めるのかもしれません。もう長崎県大村市から出ない方がいいのかもしれないな。

以下、まとめます。

  • ココヤシは人間にとって危険 近寄らないこと
  • 風が強いホノルルは危険 出歩かない
  • いざとなったら足下に気をつけつつ逃げること
  • 追撃してきたら根性で避けること

*1:約10m

*2:直径約20cm、重さ約2.5kg

*3:ペロキャン込みで

*4:こんな教育に悪いブログからリンクしてごめんなさい。